今日の教養 儒教

儒教は「論語」で有名な孔子(紀元前551年~前479年)によって始められた。他の宗教のように神があるのではなく、生き方としての思想である。

孔子は、宇宙の根源的な力を「道」とした。そこから相反しながらも互いに補完する力である「陰」「陽」が生まれるとした。

 

孔子は五つの人間関係を説いた(五輪)。この五つは全て上下関係である。アジアの国々で人間関係に上下関係が存在するのはここの影響があると言えよう。最も重要な関係を父子とし、君臣、夫婦、兄弟、朋友と続き、社会の模範とした。法体系にも影響を及ぼし、五輪に反する行為は厳しく罰せられている(親に対して悪いことをすることなどは罰が重くなる)。

また同時にこの考えから「孝」というものがある。親孝行の「孝」である。これは、祖先(親も)を敬うことである。また年長者や兄への愛情である「悌」は「仁」のもととなるとしている。

「仁」とは、「人を思いやること」でもあり、人が身につけるべき基本的な徳とした。

教養を身につけ、人格を陶冶し、仁をそなえた高い人格を形成することを目指したのである。

 

塾でも論語を生徒に読ませている。最も教育的に良いと考えている。無駄がなく心にひびく言葉ばかりである。

孔子先生はなかなか不遇な時代もあったようであるが、今に活きているのは本当に素晴らしいと思う。時代は遅れて気づくものだろうか。