今日の教養 アラビアンナイト

アラビアンナイト(千夜一夜物語)は、イスラム文化圏で作られた説話集のことである。説話集とは、物語のこと。アラビアンナイトは英訳が出た時のタイトルである。実際はアントワーヌ・ガランという、フランスの東洋学者が元々の物語と他で手に入れた物語を組み込み、アラビアンナイト、という物語が生まれたようである。なので、一つ一つの物語の起源については諸説あるようである。

 

なぜ千夜一夜なのかというと、残酷なシャハリヤール王の新しい妃となったシェーラザードが王に1001夜、話を聞かせたことによる。1001夜もなぜ話を続けたのか、というと、王から殺されることを知っていたシェーラザードが次の日まで命を延ばすために、いいところで、話を終わらせ、翌日また話を聞かせた、ということなのである。最終的には王は幸せに暮らすことになる。

 

代表的なものとして、アラジンと魔法のランプ、アリババと40人の盗賊、シンドバッドの冒険などがある。

イラクの首都であるバグダッドで原型が作られた。アッバース朝のハールーン=アッラシード時代のものである。16世紀ごろにエジプトのカイロで完成されたと言われている。

 

物語の構成が複雑で、いわゆる枠物語(物語の中に物語がある)と呼ばれるものである。

 

物語のいいところで終わらせて次の日にもっていく、という構造はまさに、現代の物語の定石のようなものである。また、SF、ファンタジーの原型になった話である、ということも間違いないな、と思えるのである。