訪問指導

 

東京も梅雨入りになったようです。この季節になると思い出すのは、学生時代のアルバイト。ちょうど始めたのが、この時期でした。

 

大学院生になったばかりの私が始めたアルバイトが、不登校の子への学習支援(家庭教師みたいなもの)。学習支援といっても、実際は話し相手になるような感じでした。

 

担当した子は、中学生の男の子でした。最初は、むしろ私の方が緊張していましたが、訪問を重ね、段々と色々な話ができるようになりました。

 

勉強から縁遠くなっていた彼に「勉強!」というのは、壁があるので、最初はほとんど遊ぶような感じ。一緒にゲームをしたり、漫画本を読んで面白いところを言い合ったり…(「銀魂」を読んでいた!)

今考えれば、純粋にその時間を楽しんでいたと思います。

 

夏休みに入った頃でしょうか、暑い日だったので「アイスを買いに行こう!」とすぐ近くのスーパーにアイスを買いに行きました。中学校の同級生に会わないか…とその子も私も気を使っていたのを思い出します。ずっと家の中にいたところから、一転して外で一緒にアイスを食べたことはとても印象深い場面でした。そこから、一緒に自転車で少し遠くのマックに行ってハンバーガーを食べたり、外の空き地でキャッチボールをしたり、と外での活動も増え、フリースクールの体験授業にも参加するようにもなりました。

 

受験が近くなると、自分から「ここがわからない」など、積極的に学習に意欲を出し、受験生らしくなっていく彼の姿を見て、人の成長、変化を見ることができました。

 

その後も学生時代に数人の子に同じような学習支援をする機会をいただきました。

様々なことを学んだ経験だったな、と時間をかけて熟成されるような感じで思い出されるのです。

 

そんな経験を基に、訪問指導というものを作りたいと思い、現在に至ります。何も学校、塾に行くだけが学習ではない、場所を選ばず、どんな子でも学習の機会があれば…そう思っています。