注意・集中に困難のある子

注意・集中に困難のある子へのアプローチ(ADHD等)。

私なりに考えてやっていることを少しご紹介。

 

①休憩をとる

学校の授業時間は50分。だが、50分集中して何かをするというのは、なかなか難しいことである。そこに課題がある子ならば尚更。私はできる限り、こまめに休憩時間を設定するようにしている。このようにすることで、ONの時間が短い子でも一定時間集中できた、という経験を積むことができる。そして、ON・OFFの切り替えを適度に行うことで結果として1時間という時間も負担なく過ごすことができる。

②不注意を認める

注意力に課題があり、好奇心が旺盛な子ならば、周りの環境は刺激がたくさんである。

もちろん、刺激を除去するように教室の環境調整は行っている。それでも気になるものは気になるのが子どもである。どうしても子どもが気になってしまった場合、その気持ちを一旦は受け入れるようにしている。例えば、壁に何かついている…と気づいたならばそれを確認させ、机に戻ってもらう。何も絶対に他のことにわき目をふってはいけないことはなく、むしろそのような子どもの素直な気持ちを否定してしまうことで、逆に子どもは気になってしまい、結果として落ち着きがなくなってしまうこともある。

③トークン・エコノミー

特にADHDの子と言えばトークン・エコノミー(行動療法)が代表的な支援方法。言わずもがなでもある。集中してプリントに取り組めるように一定時間きちんと過ごせれば、シールを貼るような支援をすることもある。あと、大学院時代に見た海外のADHD専門の学校での支援の映像であったが、学習中の生徒の横に先生がいて10秒間くらいの非常に短いスパンでトークンを与えて集中を持続させていた。これのイメージを持って取り組むことが多い。子どもにとって良いものは何でもどんどん取り入れるように心がけている。

④あえて何かに触れさせておく。

「手まぜ」ってわかります?よく調べると九州の方言らしい…(知らんかった…)

よく小学校の頃、教室で先生が話をしている時に「コラ!手まぜばせんと!(手遊びをしないの!)」と怒らせる子がいた。私も言われていたと思う。

机の下で何かを触ったりしているのはある意味、それによって気持ちを落ち着かせている部分もある。

爪をいじったりするのもそうだろう。そのような行動からは心理的な不安定さも窺える。

注意が散漫になる特性、また心理的な不安定さが混ざり、そのような行動になることも考えられる。感覚処理の難しさもあるかもしれない。

そういう時はあえて片手だけ、何かを握らせたり、触らせておくことをする。それで結果として、心理的な落ち着きや注意力が整えれば良いという考えである。(もちろん爪とかでなく、感覚的な刺激が残るような小さなおもちゃ等である)。

⑤リマインダー

これも特別支援教育といえば!の支援方法である。要は、目立つところ、行動の際、必ず目につくところに忘れないようにメモを残すということである。私も忘れっぽい性格なのでよく自分なりに生活の中でアレンジしてやってみることが多い。生徒によっては、宿題ファイルの表紙にやることを残し、リマインダーとしている。

 

 

これは教室の扉(外に出る側)に貼ってあるものである。教室から出る時に、忘れないようにしてほしいことである。

大切な考え方は、完璧主義に陥らないことだろうか。ある程度、しょうがないな、と受け入れ、そこに合わせて環境を調整していく、そういうことだと私自身、改めて思うところです。

 

特に注意集中に困難のある子の支援は語り出すと長くなってしまいますが、この程度で。今度は他の困難、困り感に対する支援について書きたいと思います。