クリスマスが終わり、子どもの元にゲームやゲームソフトがやってきた家も多いだろう。
子どもがよし、お正月にやるまくるぞ!と意気込みが強くなるのだが、ゲームが非常に悩みの種である。
私も学生時代より、小学生、中学生の支援をしてきたが、とにかくゲームにまつわることが多かった。
個人的にはゲームはあまりいいものではない、というのが私見である。というか、やり過ぎはよくない。これは何にせよ言えることだ。
問題は、子どもの生活に支障が出るぐらいのゲームが時間をとらせている現状がある、ということである。
医学的にも、インターネット・ゲーム障害、ゲーム障害が疾患として検討をされているということである。
つまり、医学的な措置をとるもの、という認識もあるということだ。まず、単なる時間制限等で収まる話でもない、ということが前提にないといけない。
私は、教育の立場としてこのゲームについて考えたい。
そもそも、問題として表面的には「時間が長すぎる」これに尽きるのではないだろうか。
各ご家庭の事情もあるだろうが、基本的にはゲームを与える以上は、時間を決める必要があるだろう。なぜならば、医学的な措置を必要とするようなものだからだ。
では時間をどのように決めればいいのか。
「家ではゲームは1時間」、こうすれば良い。
いや、それがなかなか上手くいかないのですよ~という言葉が聞こえてきそうだが、親が決めれば良い。結構すっぱりとしているが親が決めたことは絶対なのである。またそれに伴う約束を子どもがしたのならば、それを絶対に守る、その気持ちが大切だ。
これは親子相互にこの約束を守る、という気持ちの尊重がなければならない。
テレビもゲームもインターネットも全て親が用意したもの。子どもがしたい、と思うのならば全て自力で用意すべし、そのくらいの基盤が必要である。
もし、約束を破ったら、ゲームは没収。没収と言ったら没収。理由はない、そう決めたから。そのくらいの気持ち・行動が必要と思う。
ただ、過去に聞いた話だが、学校の先生が生徒の家に乗り込んでゲームを取り上げたとか、親に隠してもらってゲームを捨てた、と本人に伝えた、等の事例を聞いたことがあるのだが、これはこれでちょっとやりすぎであると思う。そもそも家庭の中に先生が入り込むべきでもないと考える。
このような約束を守る、また、親側はしっかりと子どもに対してNO!と言える気持ちが必要と思う。
臨床心理学者の奥田健次先生はこのように述べられている。
「家庭を航海中の船にたとえるなら子どもは新入り乗組員。新米が成長するまで主導権は親が握るのがあたり前です。」
そういうことだと思う。
もし、それができないのだとしたら、そもそもゲームという自制心を必要とするものを与えてはいけないし、子どもに自制心がついてから与えるべきだと思う。ゲームがあっても自制心でやめることができる、と判断できる年齢になれば、時間を本人に決めさせてもいいだろう。
だが、これは根本的な問題ではない、と思える。
根幹は、ゲームに没頭しなければならないほど、他に興味を持てるものがない、また寂しさやストレスを忘れるためにゲームの世界に入り込む気持ち、この点が重要だと思う。
ゲームと言うのは、大人にとっての飲み会?のようなもので、その時は嫌なことも忘れることができる。そのくらい嫌なこと、自分の中で消化できないもの、そういうものがあるのだ、という捉え方も必要ではないだろうか。
ゲームという表面的な部分を見るのではなく、そうなってしまう気持ち、そこが何なのか、それを周りの大人は考えることが大切だ。
個人的には多くの人のゲームに没頭する気持ちの根幹は「さみしさ」だと考える。
現在は、オンラインゲームも多く、そこで友達と一緒にプレイをしたり、そこで友達を持ったりと複雑になっているので、簡単に解決することは難しいとは思う。もちろん、そういうこともわかってのことである。
私自身はどうだったか、と言えば・・・
小・中とゲームは普通にやった。友達とも遊んだし、家でもやった。依存というほどでもなかったが、とにかくゲームしない日はなかったかな、と思う。スーパーファミコンのYボタンを連打しすぎて潰れてしまったこともある。
・・・
だが、今はやっていない。ではなぜしなくなったのか・・・
個人のエピソードとしては
高校生になってゲームをしなくなった。単純に興味が沸かなくなった。
その代わり、私は音楽(特に洋楽)にハマり出し、友達とあーだ、こーだと音楽評論をするのが楽しくなった。
ゲームのソフトを買うよりもCDを買うということに価値を見出し、同じおこづかいを使うのならばCDを買いたい!という気持ちになったのだった。
要は人間は数ある行動を天秤にかけ、自分に価値がある、という方の行動をとるのである。完全にゲームの価値が下がったのがその時だったのである。
ゲームよりも楽しいことが世の中にはたくさんある、それを子どもに伝えることが大人の務めなのである。
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