なかなか子どもが思ったように動いてくれない、勉強をしてくれない、ということはご家庭でも多いかと思います。
心理学的には行動主義、応用行動分析の考え方を使って、望ましい行動を形成していく方法があります。
これはまず「人間は自分のメリットになることは行動する」という考えが大前提にあります。
この考え方を応用してなされる支援方法がトークン・エコノミー法です。
これは簡単に言えば望ましい行動をすればご褒美をあげる、というものです。
馬の前に人参をぶらさげる方法です。
ですが、単純にテストで何点をとったからご褒美、ということでは行動は本質的な行動の形成にはつながらないのではと思います。
この支援方法によって本当に子どもに学んでほしいことは結果ではなく、日々の勉強する姿なのではないでしょうか。
つまり結果にアプローチするのではなく、そのプロセスを見なければなりません。
また、この考え方は基本的には「死人にできないことは行動」という考えがあり、何をターゲット行動とするのかを厳密に決めて行います。ですので子どものどういった状況でのどんな行動を増やしたいのかをきちんと決める必要があるのです。
例えば、テストで〇点とったら~あげるよ~ではなく、テストで〇点とるために毎日、お母さんと一緒に~をしよう、1日できたら1ポイント、10ポイント貯まったら、ガチャをしに行こう!くらいな感じが適切かと思います。
結果として点数もついてくるかと思います。
また、ここで大切なことは行動とその対価のご褒美の価値です。少しの努力でいいことは、少しの価値、基本はこれを積み重ねることだと思います。
100点とったら、スイッチ買ってあげるよ!これをやってしまうと、100点をとるたびにスイッチを買わないといけません。常にその行動がその子の生活レベルでのどのくらいの努力が必要なことか、またご褒美はどの程度が適切(経済的・時間的なコストを含め)かを考えることが必要なのです。
お母さん方であれば、ポイントカード、これはれっきとしたトークン・エコノミー法です。ご自分が貯められているポイントカードなぜ自分が貯めてしまうのか、を考えればやり方のヒントにもなると思います。
こうやって考えるとご褒美制はとても奥が深いのです。
大学等で専門的に研究・アプローチする場合は、かなり何をターゲット行動にするのか、どのタイミングでご褒美をあげるのか、ご褒美を何にするのか、非常に厳密に行います。
まずは子どもの生活をよくよく観察するところから。
それ自体も支援、子どものためになるのです。
面白味を持って取り組むことが大切です。
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