感覚統合の視点

私は作業療法士ではありませんが、感覚統合について自分の勉強も兼ねて。

 

感覚統合とは、感覚を整理、まとめていくものであり、アメリカの作業療法士のエアーズ博士によって理論が作り上げられました。

ちなみにエアーズ博士は女性です。

 

私たちは感覚を基に生活をしています。つまり五感です。この五感以外にも実は感覚はあり、温覚、内臓感覚などあります。

感覚、いわゆるセンサーを上手く機能させながら私たちは生活をしているわけです。

発達障害の子ども達はこの感覚が未発達、うまく統合できずに、姿勢の崩れ、落ち着きのなさ、感覚過敏、対人関係上の問題などが出ることが考えられるのです。学習面にも当然影響が出ます。

感覚統合では、様々な活動を通して感覚を整わせていき、結果として子どもの変容を促します。

 

感覚統合の活動は体を動かします。

ここで大切になってくる感覚が、前庭覚、固有感覚、触覚です。

前庭覚、固有感覚、なかなか聞きなれない言葉だと思います。

 

前庭感覚とはバランス、目の動きなどに関係します。耳(内耳)にあるのが前庭という器官。ここが問題があるとめまいを起こすこともあるわけです。耳の中にバランスをとる機能が人間にはあるのですね。

 

固有感覚とは、筋肉や関節にある感覚。何というか、体の内側にあるようなイメージでしょうか。

 

特に、前庭感覚、固有感覚、触覚、これを刺激するものは、子どもの遊び、公園にはたくさんあります。

ブランコ(前庭感覚)、ジャングルジム(固有感覚)、砂場(触覚)といったところでしょうか。もちろんこの感覚は密接に関係しており、一つに絞られるわけでもありません。視覚や聴覚も関係します。

 

この感覚統合は学習に向かう前の基礎的な部分でもあります。

 

塾の生徒の中にもやはり行動を見ていて、その根底にある感覚がまだ研ぎ澄まされていないな、と思える子もいます。ですので塾ではまず体を動かす活動から始めて、学習に移ることも多いです。例えば、ボール投げやタオル綱引きなどを取り入れています。

 

体の感覚が研ぎ澄まされることで、頭も機能していくというわけです。

 

作業療法ではより戦略的、計画的にこれを行っていくと思いますが、探してみれば日常生活の中に感覚統合につながることはありそうです。

おそらく、家のお手伝いの中にたくさんあると思います。

 

また、私が個人的にいいな、と思えるのはボルダリングです!

 

ボルダリングは、色のついた石を見ながら、手足を使って目標のところまで登っていくスポーツです。

どこに手を置くか、足を置くか、次はどの石に手を伸ばすか、など、感覚は総動員して行います。

指の感覚から体全身に至るまで、微細運動、粗大運動、バランス感覚、が必要になります。

 

というわけで、ボルダリングに行こう、というわけではありませんが、どんな子であってもこの視点は必要だと思います。

体を使わなくなった現代だからこそ、持っていたい視点です。