私たちの世代(30代~40代)は、基本的に頑張ったら報われる時代に育ちました。
事実、私の小さな頃は商店街に小さな商店がたくさん立ち並び、皆、平均的な暮らしを享受していました。そこに多くの人が違和感、疑問を感じない世の中でした。そんな私たちは時代背景として、何かを目指す時にある程度の頑張りで相応な結果が返ってくることが体感として沁みついているようです。
しかし、時代は大きく変わりました。より結果主義となり、経済性が叫ばれ、その余波は家庭や学校の中にも入り込んでいます。そして、生活の中でわが子を目の前にしてなぜ?という思いがふつふつとわき上がってくることだと思います。
なぜ、自分達の子どもの時のように学校に行って、宿題をすれば何となく学校の内容が理解できたはずなのに、目の前の子どもには当てはまらないのか、と。
私たちは何とかこの悩みを払拭するために、沢山の巷に溢れる情報や自分自身の経験を元に現実に当てはまる理想を作り上げようとします。しかし、なかなか上手くはいきません。実は、ここに現代社会の大きな落とし穴があるのです。
このような視点での頑張りは結果的に徒労に終わるか、自分自身の首を絞めていくことになりかねないのです。なぜならば、社会構造そのものが変わっているのです。人間ですから自分の経験がきっと役に立つ、頑張れば報われる、という認識の元に動きます。ですが、その自分の経験や頭は今の現実には当てはまらない、ということが常なのです。
そして、発達障害の子、グレーゾーンの子、学習が苦手な子の教育というのはまさにこの今の状況を疑い、自分自身の視点を変えることが第一歩にあるのです。
これまでたくさんのお父さん、お母さんと出会ってきました。この視点の変化、認識の改め、という部分でなかなか前に踏み込めない場面を沢山見てきました。それは頭でわかったとしても沁みついてきた自分自身の経験を脱却できない苦しさだと感じています。当然、それは難しいです。むしろ、目の前の現実に対して納得できないことの方が自然なのです。
私自身、この親御さん達の悩みを一緒に考えていきたいと思って活動をしています。
今ある悩みを無理に解決しようと思わず、まずはできることからやってみる。このスタンスを当塾では大切にしています。そしてそれがこの塾の存在価値だろうと考えています。
当塾はお父さん、お母さんの悩みと伴走するような場所でありたいと思っています。
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