私なんぞ人間一人を産み、一人前にも育てたこともないので、子育てのことを言っても何とも説得力がないように感じられる方もいると思います。しかしながら、曲がりなりにも教育の現場に居て、教育や心理学を学んだ者ではあります。
今、子育ての情報を溢れかえっています。日々のyahooニュース、インスタ、Youtube、LINEニュース、などなど、本屋に行けば、お母さん世代に向けた子どもの育て方、受験の受けさせ方・・・どれだけ情報があるんだ、という感じです。
こういう方法で育てたらいいですよ、この時期にはこういうことを、そんなことを言ってたって、その通りになれば苦労はしませんし、皆悩まないはずです。
メニューがありすぎて選べないレストランにいるように感じでしょうか。選べるのは自由を得ることでもありますが、逆に選択肢や悪い情報が先行し、前に進めることができません。
昔の情報がなかった時代はどうだったんでしょうか。
家庭ではお母さん、おばあちゃんが子育ての方法を知っている人であって、自分はこのように育てたから、と経験則によるところが多かったのではないのかな、と思います。あたかも伝統芸を伝承していくような、そんな感覚があったかもしれません。
ところが現代はそうではありません。核家族化が進み、人に聞くことも身近にはなく、時間もない中で一緒に子育てをするのも難しいのが現状だと思います。ですので、そこで専門家の意見(私もこれに含まれますが、一旦自分のことは棚に置きます。すみません。)、様々な尤もらしい情報を得て、そのようにやってみようと思うのですが・・・
果たして、これは上手くいくのでしょうか。もちろん専門家の意見を聞いたり、本を読んだりして知識を得ることは大切です。保護者様対象に勉強会もしているので、保護者の方々にはぜひ知識は持ってほしいと思っています。
ですが・・・
正解はあるのでしょうか?正解、というよりも何か自分自身に都合の良いというか、納得できる、という範囲のものでしかないように思います。
Aという方法があれば必ずBという方法があります。その両者も主張があり、どっちが正しいという判断はできないはずです。
こうなるとますます、判断がつかなくなり、迷いは大きなものになります。
さてでは、どうすればいいのか。
多くの親御さんもどこか不安や心配を抱えて子育てをされていると感じます。
それは、本当にちゃんと育てられるのだろうか・・・子どもが後悔ない人生を歩ませることができるだろうか・・・
そういったある種、恐れをいだいた形のものだろうと思われます。
端的に言えば「自信がない」のです。その根底には「上手く育てたい」という気持ちがあるのだと思います。
でも、それってできるのでしょうか・・・上手く育てたい、の前に「よく見られたい」という気持ちがあるのではないのでしょうか。
このような気持ちはいけないこと、というわけではありません。現代人であれば誰しもが思うはずです。なぜなら現代は資本主義の社会です。資本主義は結果を求めます、成果を求めます、優劣をつけ、競争をします、それによって成り立っている社会です。逃れようにも逃れることができません。
でもそこの気持ちに引っ張られた判断ではなかなか何が良いかを選び出すことは難しく、迷いは大きくなります。子どもは大人が迷えば、それを見て何をすればいいのかわからなくなるものです。
私が思うに解決策の一つは、バカボンのパパのように『これでいいのだ!』という気持ちかなと思います。他の家は知らん、でも自分の家は、こうなんだ、という気概を持って子育てをすれば自ずと迷いは晴れていくのはでは、と思うのです。もっと言うと、迷うのが家の教育なんだ、という価値観も同時に正解となります。要は気概の部分かな、と。
このような精神は何も子育てに限らず、日常の些細なことまで影響、関係をしているように思います。結局、正解はなく、自分でこうなんだ、と結論づけるしかないのです。つまり自分の人生に自信を持つ、ということでしょうか。
私も他人事ではなく、日本人一人一人が自立した気持ちを持つことが現代の教育問題を解決する糸口になるように思います。
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